バイクのコーティングは、車体表面に保護層をつくり、艶や撥水性を加えたり、汚れを付着しにくくしたりするために使われます。
ただし、コーティングを施工すれば傷が付かなくなるわけでも、洗車が不要になるわけでもありません。また、一口に「コーティング」といっても、すべてが同じものではありません。
製品によっては、「ベースコート」と「トップコート」という役割の異なるコーティングを組み合わせるものもあります。
ReBORNでは、長期間残るベースコートを現行サービスとして用意していません。必要としている表面性能を現在のコーティングで満たせていることに加え、ベースコートをサービスとして扱う場合には、製品に応じた施工環境や硬化条件、施工後の管理、補修、除去、再施工まで含めた運用設計が必要になるためです。
ReBORNでは、施工直後の艶や撥水性だけではなく、必要になったときに安全に除去し、再施工できるかまで含めてコーティングを考えています。
バイクコーティングで何が変わる?
コーティングによって期待できる主な変化は、次のとおりです。
- 艶
- 撥水性
- 表面の滑り
- 汚れの付着抑制
- 洗浄後の状態を維持しやすくすること
ReBORNでも、こうした表面性能を目的としてSTANDARD COATとSPECIAL COATを施工しています。
一方で、コーティングにはできないこともあります。例えば、飛び石や強い擦れなどの物理的な力から、車体を完全に守るものではありません。
コーティングは万能な保護膜ではなく、何を目的として使うのかを分けて考える必要があります。
ベースコートとトップコートとは?
コーティング製品の中には、「ベースコート」と「トップコート」という考え方を採用しているものがあります。
製品によって名称や役割は異なりますが、大まかには次のように分けられます。
ベースコート
車体表面側に比較的長く残り、保護層として使われるものです。
トップコート
最も外側で、艶、撥水性、滑り、汚れの付着抑制などの表面性能を担当するものです。
製品によっては、この二つを組み合わせて使用します。ただし、すべてのコーティングにベースコートが必要なわけではありません。
ReBORNではベースコートを現行サービスとして用意していない
ReBORNでは、ベースコートを持つコーティングシステムや、長期間ベース層として残すことを前提としたコーティングを、現行サービスとして用意していません。
これは、ベースコートそのものを否定しているという意味ではありません。製品によっては、ベースとトップを組み合わせることを前提として性能が設計されているものもあります。
一方でReBORNでは、必要としている艶、撥水性、汚れの付着抑制などを現在のトップコートで満たせています。
その状態でさらに長期間残る層を追加するのであれば、何が追加で得られるのか。そのリターンに対して、どのような負担やリスクが増えるのかまで考える必要があります。
また、ベースコートをサービスとして扱うのであれば、単に薬剤を追加すればよいわけではありません。製品に適した施工環境や硬化条件を確保し、施工後の管理方法、補修、除去、再施工まで含めて運用する必要があります。
そのためReBORNでは、ベースコートを追加すること自体をサービスの価値にはしていません。
特に重視しているのが「後から除去できるか」
コーティングでは、「長期間残ること」がメリットとして挙げられるものがあります。長く性能を維持できること自体には価値があります。
しかし、長く残るということは、必要がなくなったときにも残る可能性があるということでもあります。
例えば、次のような場合です。
- コーティングが部分的に傷んだ
- 車体を補修する必要が出た
- 一度施工前の状態へ戻したい
- 別の施工へ変更したい
- 再施工のために既存のコーティングを除去したい
コーティングの除去方法は、製品や施工された素材によって異なります。既存の保護層を研磨せずに除去することを目的とした製品がある一方、すべてのコーティングを同じ方法で安全に除去できるとは限りません。
そのためReBORNでは、どれだけ長く残るかだけでなく、必要になったときに安全に除去・再施工できるかを特に重視しています。
現行ReBORNで使用しているトップコートについては、必要になった場合に除去し、再施工できることを実運用上確認しています。
バイクでは「元に戻せるか」が重要になる
バイクには、光沢のある塗装面だけでなく、次のような素材や仕上げが混在しています。
- 艶消し塗装
- アルマイト
- 未塗装樹脂
- 金属部品
- ステッカー
- その他の表面仕上げ
光沢塗装のように、必要に応じて研磨という方法を選択しやすい場所ばかりではありません。
そのため、施工時の性能だけを見て「長く残る方が良い」とは単純に判断していません。施工する場所によっては、長期間残ることより、必要になったときに処置できることの方が重要だと考えています。
バイクでは一部分だけコーティングが摩耗することもある
バイクでは、ライダー自身やライディングウェアが車体へ直接触れます。例えばタンク側面では、膝や太腿、ウェアなどが同じ場所へ繰り返し接触します。
そのため、コーティングも車体全体が均等に劣化するとは限りません。接触が集中する場所では、局所的に摩耗し、性能が低下する可能性があります。
つまり、車体の大部分にはコーティングが残っている一方で、一部分だけ性能が低下しているという状態も起こり得ます。
こうした部分的な劣化が起きた場合にも、その部分をどう処置し、どう再施工するのかを考える必要があります。
物理的な擦れや傷そのものを防ぐことが目的であれば、コーティングではなくPPFなど別の保護方法が適する場合があります。この違いについては、今後別の記事で詳しく扱います。
多層コーティングなら高性能?
コーティングには、複数の層を組み合わせて施工するものもあります。製品の設計上、それぞれの層に異なる役割を持たせているものもあるため、多層施工そのものが無意味というわけではありません。
ただし、層が多いこと自体が性能ではありません。
重要なのは、その層を追加することで何が得られるのかです。ReBORNでは、層数そのものをコーティングの価値とは考えていません。
ReBORNがコーティングで重視していること
ReBORNでは、コーティングを選ぶ際に、次の点まで含めて判断しています。
- 何が得られるのか
- 何を防げないのか
- どのくらい維持できるのか
- 劣化したときにどう処置するのか
- 必要になったとき、安全に除去・再施工できるのか
そのため、現在必要としている表面性能を現行のトップコートで満たせている以上、長期間残るベースコートを追加すること自体を目的にはしていません。
コーティングは、長く残れば残るほど良いものでも、層が多ければ多いほど良いものでもありません。
バイクの素材、使用環境、維持方法まで含めて、必要な性能を管理できる状態で持たせる。それが、現在ReBORNでコーティングを運用している基本的な考え方です。
